自発的にやって突き詰めると根性論が一番の武器になる
男はいくつになっても週刊少年ジャンプである。
人生において大切なことはだいたいジャンプ漫画で学んだと言っても過言ではない気がします。
といっても、子供の頃からメッセージを明確に受け取っていたわけではないのですが、今振り返ると大事なことってだいたいジャンプ漫画で伝えてもらっていたのだなと思います。
ビジネス書などを読むとよく書いてありますが、人生は誰と出会い誰と一緒にいるかによって大きく変わるし、全ての物語は人が出会うことから始まります。
ドラゴンボールの悟空もブルマに出会わなければ、パオズ山の奥から出てくることはなかったでしょう。
クリリンが地球人で最強と言える実力を身に着けたのも、修行していた寺を離れて亀仙人のもとで悟空と出会い、悟空と行動を共にし続けてきたからです。
という「友情・努力・勝利」を旗印にしたジャンプの話を振っておきながら、今日のテーマは「天元突破グレンラガン」というアニメのお話です。
2007年の4月にスタートして同年9月に最終回を迎えたわずか27話の作品ですが、一年以上やっていたんじゃないかと勘違いさせるような物語のボリュームがあります。
日曜の朝にやっていたロボットアニメなので子供向けかと思われますが、大人の視聴に十分耐える、というより「なんか最近頭でっかちになってきてしまいつつあるな」と感じている大人にぜひ見ていただきたい作品になっています。
僕自身、友人のおすすめで30歳過ぎてから視聴しました。
敵の四天王的なキャラクターを一話で一人やっつけていくという脅威の展開の速さのお陰で一気に見られることもオススメポイントが高い点です。
この物語もスタート当初は自分に自信がない子分気質の主人公が、兄貴分と旅をし、別れる経験を通じて自立し、成長していきます。
この自立していくまでのストーリーはやや子供向けギャグ気質なので、そこを突破してもらえるとあとは一気に視聴出来ると思います。
自立までの過程で出て来る名台詞が
「俺を信じろ。お前を信じる俺を信じろ」
「お前を信じろ。俺が信じるお前を信じろ」
「お前を信じろ。お前が信じるお前を信じろ」
です。
自信がなくて自分を信じられなくても、自分を信頼してくれている「アニキ」を信じて動けばいい。
動いて成長する中で、「アニキ」からの信頼に足る自分に自信を持てるようになればい。
そして、自分で自分を信じられるように力を身に着けていけばいい。
何か新しい事を始めていき成長する過程で大事なプロセスがここに詰まっていると思います。
そして、あらゆる困難に対して、「決断する」「諦めない」「出来ると信じる」という根性論だけでパワーアップを果たして打ち破っていく姿は爽快そのものです。
ご都合主義だと言われると何の反論もできない謎パワーアップの繰り返しなのですが、でもそれが良いと感じてしまうし、どこか納得させられる心地よさがあります。
ラスボスが不確定性原理を駆使して攻めて来たり、観測者が観測した時に世界が決まり、認識した分だけ世界は存在するとか、量子力学の話を持ち込んできておよそ子供向けとは思えない設定を組み込んできているのも面白いですね。
科学・失敗体験・理屈を武器に「諦める」ことで世界を支配しようとする敵を、幾度となく困難を乗り越えてきた成功経験を自信に変え、「俺は、俺達は、出来る」という信念だけで理論・理屈をぶっ飛ばしていく。
出来るかどうかを値踏みするのではなく、他の誰でもない自分自身が「必ずやる」と決めて何が何でも達成する。
そんな姿を見ていると、自分の中の少年の心が揺さぶられまくってしまいます。
無茶な目標設定を人にされるとブラック企業だなんだという話になりますが、自分で決断して実行する限り根性論ほど下支えになってくれるものはない。
そんなことを感じさせてくれる作品です。
TVシリーズをまとめた劇場版(前後編2作)にもなっているので、気になったけど全部見ている暇はないぜという方は、そちらを見ていただいても良いかと思います。