【蘊蓄】お酒の話⑦ ウイスキーの年齢?
先日スコッチのお話をしましたが、お酒の末尾に○○年と付いていたりします。
例えば、うちで扱っているものだと
マッカラン12年
グレンフィディック12年
グレンリベット12年
カリラ12年
バランタイン12年
シーバスリーガル12年
が12年と銘打たれたウイスキーたちです。
この12年というのはワインの○○年のように西暦何年に作られたとか、実際に12年モノのお酒ですという意味ではなかったりします。
ブレンデッドウイスキーのお話の時に書きましたが、幾つかの蒸留所のお酒を混ぜ合わせて一つの味を作り出しています。
これは、シングルモルトウイスキーでも同じで、一つの蒸留所のお酒を混ぜ合わせて作っているんですね。
一つの樽に寝かして12年経ちました!!というものだと年次によって原料や気候の差から味にばらつきが出るため、「いつものあの味」が楽しめなくなってしまいます。
そこで、シングルモルトであれば同じ蒸留所の年次の違う樽を混ぜて、ブレンデッドであれば様々な蒸留所のウイスキーを混ぜて作り出す一つの味を「○○12年」と名付けて売り出しているんです。
この時に、12年と銘打ったものであれば12年以上熟成した樽を合わせて作ってますよというのがウイスキーの名前の意味になっています。
年次によって個性の違う複数の樽を合わせて、いつ飲んでもマッカラン12年、シーバスリーガル12年という味わいを生み出すブレンダーさんの舌はまさに神がかっているなと思います。
シングルモルトでもブレンドせずに一つの樽から出したウイスキーの場合は、シングルカスクやシングルバレルという名前になっています。
この子達はシングルモルトの中でもより個性が尖っていてまた面白いです。
駆け出しの頃は自分より年上の25年モノや30年モノのウイスキーを見てそわそわしたものですが、いつしか上回ってしまいました。
35年以上となってくると価格もかなり素敵なことになっているので手が出しにくくなってきています。
自分よりも年の高いウイスキーを飲む感動は若いうちのほうがし易いと思うと、20代の人にももっとウイスキーを楽しんでいただきたいなと思ってしまいます。
一つ一つのボトルをどんな人が、どんな想いで作って、どれほどの時を熟成されているんだろうと想像すると、飲むのがまた楽しくなるし、お酒が愛おしくなってきます。
酔っ払うのも楽しいけれど、お酒が好きな人が増えるとまた幸せだなと思います。